スコッターについての最新情報、関連する画像や動画を紹介。(出典:Wikipedia)
スコッター (squatter) とは、都心の廃屋・廃ビルや他人の敷地や家屋の不法定住者、またはそうした住宅のこと。ドイツ、オーストリア、オランダ、アメリカ、および東南アジアやラテンアメリカの発展途上国の大都市などで見られるインナーシティの都市問題の一つである。
発音として正確なスクオッター、スクウォッターとも表記される。スコッターと英語で発音しても意味が通じない。また日本語では不法居住者、不法住居区などと訳される。
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スコッターの発生
大都市は地方と比して就業機会に恵まれ、生活水準が高いことから地方住民が大量に流入することがある。しかし大都市は家賃が高いことなどから生活能力の低い者が都心の廃屋や廃ビル、他人の敷地などに居座ったり勝手に住居を建築したりする。これがスコッターである。
スコッターは貧困層に集中することが多いが、その原因は貧困だけではなく、貧困と密接に関連している人種差別などが背景にあることが多い。したがってスコッターの問題は、それ自体がセグリゲーションの問題が絡むことが多い。またその他にも、都心の劣悪な住環境や行政サービスにもその一因があることが多い。
スコッターの問題点
- 正規の居住者ではないことから日常生活を営む上で必要な電気や水道といったライフラインを不正使用している。
- スコッターは貧困層や低賃金層に占める割合が多いことから、犯罪に手を染めるものも多く、治安の悪化につながるおそれがある。
- スコッターの集中によって、その地域がスラム化することがある。(ブラジルのファヴェーラ、トルコのゲジェコンドゥなど)
- 不法居住であることから、就業や教育の面で不利となることが多く、各種行政機関による公的支援を受けられないこともある。
- スコッター滞在によって、建物や敷地を荒廃させることになる。
- 都心での行政サービスの質を悪化させる。
- 一度、スコッターになると容易にその生活を脱出させることができず、階層の固定化が生じる。
- 階層の固定化とも関連するが、階層の固定化と連動して居住地域の固定化や人種や所得による分断も生じる。
- 衛生状態が芳しくなく、医療の整備も遅れていることから感染病が蔓延するおそれがある。
- 他人の敷地や家屋を不当に占拠することから、生活権や財産権を侵害している。
スコッターへの対策
- 貧困層への援助の充実や教育や就業の機会の拡充。
- 都心の住環境や行政サービスの改善。
- 都心における廃ビルや廃屋の取り壊しや修繕。
などが挙げられる。
スコッターへの対策はそれ自体が都市や貧困、福祉に関する課題と密接に関連していることが多く、単一的な政策によって容易に解決できる問題ではない。
日本でスコッターが少ない理由
スコッターはアメリカや東南アジアの発展途上国に多い現象であり、日本では少ない。スコッターを生む要因の一つに貧困や失業であるがこれは日本でも多数のホームレスがいることを考慮すると他国とかわり無い。
- スコッターの不法占拠する空家や空ビルが日本では極端に少ない。これは欧米の都市部では犯罪や貧困などの理由で都市部の一角が荒むなどして空ビルや空工場が多いことがあげられる。日本は治安が良いことと土地不足なのでホームレスが不法占拠できる不動産が少ない。
- 日本の建物はスクラップアンドビルドであることが多く、そもそも廃屋や廃ビルが少ない。
- 低賃金層や貧困層の生活の場となるドヤ街のような場所もあり、他人の敷地をわざわざ不法占拠までして生活する必要がない。
- 日本では反体制的な考え方が教育、また家族・社会的影響により育ちにくい。
- ビルの不法占拠などをすればヤクザなどが問題を速やかに「解決」する
などが挙げられる。
運動としてのスコッター
ヨーロッパを中心に若者や社会運動家が既存の空き家を不法占拠する例もある。大都市などでは、古いデパートや工場などの建築や住宅街が地域の衰退によって空き家となったり、あるいは富裕層が投機目的のために都心の住宅を住まないまま保有するといったことがある。
これに対し、移民や貧困層、彼らを支援する社会運動家、あるいは金のないミュージシャンや若い芸術家など住む場所に困る人々はこうした使われていない廃墟や遊休資産を不法占拠し、低所得層のための社会教育センターや芸術家村などに改装して立退きを拒む例もある。
補足
- スコッター (squatter) とは、本来オーストラリアのニューサウスウェールズの公有地の不法占拠者を意味する言葉だった。本来は「しゃがんだ人」、「しゃがんだ動物」という意味がある。
- フィリピンの首都マニラの住民の約4割はスコッターと推測されており、現地では深刻な問題となっている。
