九四式水上偵察機についての最新情報、関連する画像や動画を紹介。(出典:Wikipedia)
九四式水上偵察機(きゅうよんしき すいじょう ていさつき)とは川西航空機が開発し、昭和9年に制式採用された日本海軍の水上機である。機体略番は「E7K」。当時の同種の機体と比べて航続力、安定性、操縦性に優れており、昭和10年から太平洋戦争末期までの長期間運用された。連合軍でのコードネームは“Alf”。
概要
昭和7年に日本海軍は、7試水上偵察機の開発を川西航空機と愛知航空機に命じた。海軍の要求は
- 基地及び艦載機として使用するため、カタパルト射出が可能なこと。
- 航続距離が長いこと。
- 安定性が良好なこと。
- 最高速度は241km/h以上。
が主な点だった。
この要求に従って川西航空機が開発した機体は、胴体、翼とも金属の骨組みに羽布張りの複葉機で、水冷式エンジンを搭載していた。フロートはジュラルミン製で、それまでの水上機と比べて空気抵抗が少なく耐波性の大きい形状となっていた。また、冷却器や銃座を引き込み式にして空気抵抗の軽減を図っていた。原型の川西J型試作1号機は昭和8年2月6日にテストされたが、最高速度は海軍の要求値には届かなかったものの既存の水上偵察機を上回り、抜群の安定性と航続力を有することが判明した。翌昭和9年5月に九四式水上偵察機として制式採用され量産が開始された。生産は1933年から1940年にかけて、川西航空機が各型473機、日本飛行機で57機生産され、合わせて530機生産された。
初期の機体は広廠91式水冷エンジンを搭載していたが、後に性能向上のために三菱瑞星空冷エンジンに換装した機体が作られた。この改造により実用性はさらに向上したため、昭和13年に九四式2号水上偵察機【E7K2】として制式採用された。それに伴い前期生産型は九四式1号水上偵察機【E7K1】と改称された。
九四式水上偵察機は昭和10年から巡洋艦や水上機母艦の主力搭載機となった他、各地の基地にも配備され偵察、船団護衛などに活躍した。太平洋戦争開戦時には流石に旧式化していたが、それでも基地航空隊では相当数が使用されていた。戦争後半には偵察任務からは退いたものの、哨戒や船団護衛、連絡等で終戦まで利用された。末期には特攻機として利用された機体もあった。
スペック
- (E7K1)
- 全長: 14.41 m
- 全幅: 14.00 m
- 全高: 4.735 m
- 主翼面積: 43.60 m²
- 全装備重量: 3,000 kg
- 最高速度: 239 km/h(高度500m)
- 乗員: 3 名
- 発動機: 91式 600 hp 2型水冷W型12気筒 離昇750 hp・公称600 hp
- 航続距離: 2,200 km
- 航続時間: 12 h
- 武装:
- 7.7 mm機銃 × 1(固) ・7.7mm機銃 × 2(旋)
- 60 kg爆弾 × 2 または、30 kg爆弾 × 4
関連項目
| 大日本帝国海軍の航空機 | |
|---|---|
| 艦上戦闘機 | 1MF - A1N - A2N - (A3M/N) - 九〇式練習戦闘機 - (八試) - A4N - A5M(九試)/A5M4-K - A6M(派生型)/A6M2-N/A6M2-K - A7M/A7He - A8V AXB - D.500 (航空機) - AXG - AXH - AXHe - AXV |
| 艦上攻撃機 | 一〇式 - B1M - B2M - B3Y - 九試艦上攻撃機/九試艦上攻撃機/B4Y - B5M/B5N - B6N - B7A ノースロップ ガンマ |
| 艦上偵察機 | C1M - C2N - C3N - 13試高速陸上偵察機 - C5M - C6N CXP |
| 艦上爆撃機 | D1A1/D1A2 - 八試特殊爆撃機/八試特殊爆撃機 - D3A/D3N/D3Y - D4Y - D5Y DXD - DXHe |
| 水上偵察機 | モ式小型 - モ式大型 - 横廠式ロ号 - ハンザ式 - 二式 - E1Y - E2N - E3A - E4N - E5K/E5Y - 九一式水上偵察機 - E7K - 八試水上偵察機/八試水上偵察機/E8N - E9W - E10A/九試夜間偵察機 - E11A/E11K - E12A/E12K/E12N - E13A/E13K - 十二試小型水上偵察機/E14Y - E15K - E16A |
| 水上観測機 | 十試水上観測機 (川西航空機)/F1M/F1A |
| 陸上攻撃機 | G1M/八試特殊偵察機 - G2H - G3M - G4M - G5M - G6M - G7M - G8N - G9K - G10N |
| 飛行艇 | F.5 - 一五式飛行艇 - 八九式飛行艇 - H3H/H3K - H4H - H5Y - H6K - H7Y - H8K - H9A - 十四試中型飛行艇 - H11K-L P2Y (航空機) - DF (航空機) - ポテ 452 |
| 陸上戦闘機 | J1N - J2M - J3K - J4M - J5N - J6K - J7W - J8M - J9Y |
| 練習機 | 横廠式イ号 - アブロ式 - K1Y - 三式練習機 - K3M - K4Y - 九一式中間練習機/K5Y - 一一試水上中間練習機/一一試水上中間練習機 - K7M - 零式水上初歩練習機/十二試水上初歩練習機/十二試水上初歩練習機 - K9W - K10W - K11W NA-16 (航空機) - KXBu - コードロン C.600 - A50 (航空機) - KXL |
| 輸送機 | L1N - L2D - 九六式陸上輸送機 - L4M - L7P カーチス コートニー - LXD - フェアチャイルド 91 - KR-2/グラマン グース - LXHe - Ju 160 (航空機)/LXJ - キンナー エンボイ - LXM |
| 特殊機 | 若草 (航空機)/試作実験用飛行機第一号/十七試初歩滑空練習機 - 試作実験用飛行機第二号 - 試作滑空標的機 - 一式標的機 - 一六試特殊輸送機 - MXY6/M6A - MXY7 - MXY8 - MXY9/MXY9 - MXY10 - MXY11 橘花 - 梅花 - 藤花 - 神龍 (航空機) |
| 水上戦闘機 | N1K/N1K1-J/N1K2-J |
| 陸上爆撃機 | P1Y/白光 (航空機)/P1Y2-S |
| 哨戒機 | Q1W - Q2M - 南海 (航空機) |
| 陸上偵察機 | 暁雲 (航空機) - R2Y |
| 夜間戦闘機 | S1A |
| 関連項目 | 日本製航空機の一覧 - 軍用機の命名規則 (日本) - 特攻兵器 - 特殊攻撃機 - 航空艦隊 |
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