医療についての最新情報、関連する画像や動画を紹介。(出典:Wikipedia)

こんなキーワードで検索されてます

こんなキーワードで検索されてます

医療(いりょう)とは、人間健康の維持、回復、促進などを目的とした諸活動について用いられる広範な意味を持った語である。

目次

概説

医療は人の健康の維持、回復、促進などを実現するための活動である。医療は一種のart(技、わざ)であるともされ、science(学問、知識)である医学とは対比されることがある[要出典]

医療の活動は医療活動などと呼ばれ、医療の行為は医療行為と呼ばれる。それに関する技術などは医療技術などと呼ばれる。

医療とは患者の病気の治療だけでなく、その病気の予防リハビリテーションも含める。看護師などによる看護活動(看護過程)、薬剤師調剤及び服薬指導、医師・歯科医師の指導の下に行われる管理栄養士による疾病者への栄養指導、OTC薬販売における登録販売者の指導や助言なども、医療に含まれる(医療行為の項を参照)。

医療には、さまざまな人による、さまざまな行為が属していると考えられる。例えば心臓発作は、致死性の急性発作であり、早期の医療が必要であるため、無資格者等による救急医療(気道確保・人工呼吸心臓マッサージ)が必要である。また、救急車での搬送中には救急救命士による救急医療が行われる。

医療は「通常医療」(conventional medicine)と「代替医療」(alternative medicine)に大分類される。両者を統合した医療は「統合医療」と呼ばれている。(→#医療の大分類

また、医療はその目的ごとに呼び分けられている。例えば、緊急の処置を行うことを主たる目的とした医療は「救急医療」と呼ばれ、QOLの改善を主目的とした医療は「緩和医療」と呼ばれている。

仕事として医療に携わる人々は医療従事者と呼ばれている。(→#医療従事者

医療を行うための施設は医療施設と呼ばれている。例えば診療所、病院、助産所、施術所、薬局などがある。これは、医療現場とよばれることもある。(→#医療施設

医療の大分類

医療は大きく分けて、通常医療と補完・代替医療に分類される[要出典]。これら2つを統合したものが統合医療である。学術分野で用いられる正式名称および元になっている英語表現は次のとおりである。

通常医療の「通常」という表現には、何が「通常」なのか、という判断が含まれているわけであるが、通常医療や補完・代替医療という分類用語は、欧米から発信されている用語なので、欧米における医療の歴史、および表現が生まれた時点での欧米での利用状況が反映されており、「通常医療」とは、おおむね西洋医学臨床に応用した医療のことを指している。

日本では、東洋医学が主流医学であるので、この欧米式の表現は日本の状況には馴染まない[2]。また欧米においても、後述するように利用頻度が逆転した状況が続いており、将来的には、西洋医学に「通常医療」という表現を当てることが、状況にそぐわないものと見なされる可能性がある。

補完・代替医療は、通常医療に代わり得る医療、という意味であり、そこには伝統医学から民間療法まで様々な療法が含まれている。補完・代替医療は、それは生命自然治癒力を活性化させることを目的とし、得意としている[3]

通常医療は、自然治癒力を活性化させることを最も苦手としている[4]

歴史

医学と医療の年表」を参照

世界の各民族で病気を治療しようとする儀式や処置が古来から自然発生的にみられる。新石器時代ヨーロッパや古代の南米ではてんかんの治療目的のため穿頭術を行っていたものとみられている。また、世界各地で独自の医療がなされてきた。

西洋医療の時代

20世紀前半(つまり1900年代前半は)、国家は軍事力強化、富国強兵などを目指し、国策として、科学技術の興隆に力を入れた。若者を科学や技術系の大学に誘い入れるべく、さかんに科学や技術を美化する宣伝・広報活動が行なわれた[5][6]。20世紀前半は人々の間で、科学や技術を素朴に崇拝する風潮(科学崇拝科学主義)が広まった時代であった[7][8]

医療・医学の分野にもこうした動向の影響はあり、「癒しのart(わざ)」であった伝統的な西洋医学には、テクノロジーが持ち込まれ、「機械医療」へと変容した[9]。一般の人々の間にも「科学医療」や「機械医療」への素朴な信仰が広がっていた[要出典]。そのような「科学医療」「機械医療」に対する素朴な崇拝・信仰の状態は、1960年代まで続いた[10]

1960年代以降には、医療の有効性が疑問視されるようになった。医療の効果を否定する資料が整い、医療が健康被害を与えていることが明らかになった。(下記に詳述)。

1971年、アメリカ公衆衛生学会(en:American Public Health Association)会長で、ハーバード大学教授のカースは、衛生統計を分析し、次のように指摘した[11]

"現代医学の感染症予防措置や治療が、人々の平均寿命に寄与した" などと思うのは全く根拠が無い医学的な措置・治療ではなく、むしろ環境や栄養の改善のほうが大きな役割を果たしたのである

医師が医療行為を止めると人々の寿命が延びる[要出典]、ということについて第三者による客観的なデータが現れるようになった[12]

  • 1973年にイスラエルで医師のストライキが決行された時には、診察する患者の数を1日あたり6万5000人だったところを7000人に減らした。そしてストは1ヶ月続いた。エルサレム埋葬協会によると、医師のストライキの期間中、人々の死亡率が半減したという。イスラエルでこれほど死亡率が減少したのは、1950年代に医者がストライキをした時以来である[13]
  • 1976年、コロンビアの首都ボゴタで、医師たちが52日間のストライキを行い、救急医療以外はいっさいの治療を行わなかったところ、ストライキの期間中、死亡率が35%低下した[14]という。コロンビアの国営葬儀協会は「事実は事実である」とコメントした[15]
  • 同じ1976年、アメリカ合衆国のロサンゼルスでも医者らがストライキを行った。この時は、死亡率が18%低下した。ストライキの期間中、手術の件数は60%減少していた[16]。そして、医師のストライキが終わり、彼らが医療活動を始めると、死亡率がストライキ以前と同じ水準に悪化した[17]

クエンティン・ヤング博士(en:Quentin_Young)は、医者らが医療という名目のもとで組織的に大量の人間破壊(大量殺人)を行っていることを指摘して、それを医療による大量殺戮と呼んだ[18]

ロバート・メンデルソン(en:Robert_S._Mendelsohn)は「医師のやっていることのかなりの部分が、人を死に至らしめる行為なのである[19]。」と警告した[20]。ただし、ロバート・メンデルソンは救急医療の価値については認めており、「医者はその医療行為の9割は行うのを止めて、救急医療だけに取り組めば、人々の健康状態は間違いなく改善されるはずだ」と評価した[21]

1977年、アメリカの社会評論家イヴァン・イリイチは「現代の医学は健康改善にまったく役立っていないばかりか、むしろ病人をつくり出すことに手を貸しており、人々をひたすら医療に依存させるだけである」と警告し、医療が特定の個人のみならず、人々全体、社会全体の健康に害を及ぼしている[要出典]状況を「医原病」と呼んだ[22][23]

イヴァン・イリイチらによる、医療の実態の指摘と、その改善を提唱する社会医学者と公衆衛生専門家による努力は、1984年の世界保健機関による医療の再設定の提唱に結実した[24]

1977年[25]、医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンの主幹のフランツ・インゲルフィンガー(en:Franz J. Ingelfinger)は、現代医療が人々の疾病の治療に一体どのような役割を果たしているかを分析・検討し、次のような結果を得て発表した[26]

  • 医療によって、疾患の予後[27]に影響がなかった(効果がなかった)ケース  80%
  • 医療によって、疾患の予後が好転または治癒したケース 11%
  • 医療によって、疾患の予後が悪化したケース 9%

医学誌の(つまり医療関係者側の、多少ひいきめの)データでもこのような程度でしかないことが判明したので、このデータは現代医学の医師らに、とっても衝撃があった[要出典]。こういった様々な真実のデータは公表され欧米の人々に伝わり、20世紀前半の西洋医学は様々に批判された。

補完・代替医療の時代

1993年、アメリカ合衆国の人々が補完・代替医療に支払った費用は、西洋医学の病院に支払った費用を上回った[28][29]。つまり、アメリカ合衆国では、西洋医学の医療(過去となった「通常医療」)よりも、補完・代替医療のほうが好んで利用されている。また、時代を先導してゆく人たち[30]ほど、補完・代替医療を高く評価し、積極的に利用している[31]人々は現代西洋医学に愛想をつかし[要出典]伝統医学などの補完・代替医療を利用するようになった。

補完・代替医療の存在感が増している[32]

医療の下位分類

医療の再設定

医療の再設定とは、健康づくりのためのオタワ憲章にて提唱された、医師の教育と訓練の転換についての提言である[24]

1974年にカナダ保健省から公開されたラロンド・レポートは、健康に影響を及ぼす要因として、生物学、環境、生活様式そして医療へのアクセスという4つの医療領域を提案し[33]、医療へのアクセスの重要性について、具体的な評価を下した。これらの医療領域と健康への影響は、アメリカ保健教育福祉省のヘルシー・ピープル (1979年) やイギリス保健社会保障省のブラック・レポート (1980年) おいても追認された[34][35]

1984年、世界保健機関健康づくり国際会議を開催し、健康に影響を及ぼす要因を健康の前提条件として整理すると、5つの活動領域の1つとして医療の再設定を掲げ、保健部門に携わる人々に、臨床的治療的業務を果たす責任から離れ、健康づくりへ向かうよう呼びかけた。

医療の再設定の流れは、マイケル・マーモットとリチャード・ウィルキンソンらによる健康の社会的決定要因 (1998年) の整理により健康社会を結びつける現実的かつ政策的な概念として成熟し、各国の政策に取り込まれるようになってきている。

医療施設

以下に医療施設の例を示す。

関連項目

医療従事者

詳細は「医療従事者」を参照

脚注

  1. ^ 補完医療en:complementary medicine)および代替医療en:alternative medicine)からなる
  2. ^ 『国際「統合医療」元年―第1回国際統合医療専門家会議公式記録集』日本医療企画、2004年
  3. ^ アンドルー・ワイル『ワイル博士の健康相談 (1) 自然治癒力』pp.139-141
  4. ^ アンドルー・ワイル『ワイル博士の健康相談 (1) 自然治癒力』pp.139-141
  5. ^ 池田清彦『科学はどこまで行くのか』
  6. ^ 村上陽一郎の書籍
  7. ^ 日野原重明『現代医学と宗教』岩波書店
  8. ^ 科学主義(科学崇拝)は18世紀ごろから興ってはいたが、20世紀前半に政治的な理由、軍事的な理由によって、加速したということになる[要出典]
  9. ^ 日野原重明『現代医学と宗教』岩波書店
  10. ^ 新谷富士雄『ヒトはなぜ病気になるのか』PHP研究所、190頁。
  11. ^ 新谷富士雄『ヒトはなぜ病気になるのか』PHP研究所、190頁。
  12. ^ 医師は、自分にとって都合が悪いデータは、偽りの分類をしたり偽りの報告をすることで隠蔽・改ざんする習性があるので、医師の手によるデータ・統計類は信頼できない、ともいう。(ロバート・メンデルソン『医者が患者をだますとき』)
  13. ^ ロバート・メンデルソン『医者が患者をだますとき』p.187
  14. ^ ロバート・メンデルソン『医者が患者をだますとき』p.186
  15. ^ ロバート・メンデルソン『医者が患者をだますとき』p.186
  16. ^ カリフォルニア大学ロサンゼルス校の医療行政研究者ミルトン・レーマー(en:Milton I. Roemer)教授の17の主要病院の調査による
  17. ^ ロバート・メンデルソン『医者が患者をだますとき』p.186
  18. ^ ロバート・メンデルソン『医者が患者をだますとき』p.187
  19. ^ ロバート・メンデルソン『医者が患者をだますとき』p.187
  20. ^ メンデルソンの言葉・表現方法は、日本人から見るといささか過激に聞こえるが、アメリカ人の間ではごく標準的なもの。伝えるべきと思う内容を、臆したり口ごもったりせず、はっきりと言葉にしている[要出典]
  21. ^ ロバート・メンデルソン『医者が患者をだますとき』p.187
  22. ^ イヴァン・イリイチ『脱病院化社会 医療の限界』
  23. ^ イワン・イリイチは著書で「そういった事態に直接の責任を持つ医療従事者の免許制度を廃止せよ」とも述べた。
  24. ^ a b 健康づくりのためのオタワ憲章PDF形式(世界保健機関)
  25. ^ "1988年"はおそらく誰かのタイプ入力ミス。インゲルフィンガーの調査発表は1977年と推定される出典あり。
    • 手島 恵「連載 ものの見方・考え方と看護実践(2) 新しい世界観とは何か?」1998年 [1]
    • 今中孝信「賢い患者になるためのABC」明城文化フォーラム21・講演会、2004年 [2]
  26. ^ 新谷富士雄『ヒトはなぜ病気になるのか』PHP研究所、190頁。
  27. ^ 予後とは、ここでは病気の「経過」あるいは「その後の状態」のこと(新谷富士雄『ヒトはなぜ病気になるのか』PHP研究所、190頁。ほか)
  28. ^ ハーバード大学のアイゼンバーグ博士の調査
  29. ^ アンドルー・ワイル『ワイル博士の健康相談 (1) 自然治癒力』pp.139-141
  30. ^ 学歴が高い人、収入の多い人、知識人層など
  31. ^ アンドルー・ワイル『ワイル博士の健康相談 (1) 自然治癒力』pp.139-141
  32. ^ アンドルー・ワイル『ワイル博士の健康相談 (1) 自然治癒力』pp.139-141
  33. ^ カナダ人の健康についての新たなる展望(カナダ保健省)
  34. ^ ヘルシー・ピープル (1979) 全文(米国国立医学図書館)
  35. ^ ブラック・レポート(Socialist Health Association)

関連項目

ウィキメディア・コモンズ
ウィクショナリー
ウィクショナリー医療医療の項目があります。

研究・育成

医療の品質

低品質問題

品質向上・倫理

医療とお金

法律

医療と行政

医療に関連するその他

こんなキーワードで検索されてます