73式小型トラックについての最新情報、関連する画像や動画を紹介。(出典:Wikipedia)

現在調達されている、パジェロベースの73式小型トラック(1/2tトラック)
現在調達されている、パジェロベースの73式小型トラック(1/2tトラック)

73式小型トラック(ななさんしきこがたとらっく)は1973年(昭和48年)に採用された自衛隊の汎用小型軍用車両トラック)である。三菱自動車工業パジェロ製造)が製造するが現在は2種類の車両がある。 尚、「73式」となっているが実際は「制式化」されておらず、正式名称については「1/2tトラック」に変更された。

旧型は「ジープ」、新型は「パジェロ」の通称がある。

目次

歴史

旧(1973-1997年)

64式対戦車誘導弾を搭載した73式小型トラック(旧)
64式対戦車誘導弾を搭載した73式小型トラック(旧)
警務隊用車両
警務隊用車両

日本国内で生産されていた四輪駆動車で、1970年代当時にジープライセンス生産を行っていた三菱自動車が、それまで防衛庁向けに生産していた、J-3系やJ-50系をベースとした1/4tトラックの後継車として、防衛庁の要求に合わせて積載量の向上を図り、ミドルホイールベースJ-24型を改良したものである。運輸省届出の型式(かたしき)は、1/4tトラックがJ-54A、73式小型トラックはエンジンの違いで、J-24A / 23A / 25Aとなる。

マニュアルトランスミッション(前進4速・後進1速) + 副変速機(高・低2速)付きトランスファーを持つ。また、エンジンの始動はキーで行なうが、停止はキーを抜いただけでなく初期型から中期型まではキルスイッチで、最終型はキーOFFでエンジンが停止可能。また、他国の四輪駆動車と異なり、シガーライター灰皿も標準装備している。

派生型として、60式106mm無反動砲64式対戦車誘導弾を搭載した車両、白色塗装、パトライトサイレン搭載の警務隊向け車両がある。

市販型三菱・ジープのミドルホイールベースモデルであるJ-20系はパジェロの登場で生産中止となり、ショートホイールベースのみがJ-50系として生産され続けていたが、1997年(平成9年)の生産終了に伴い、この先、補給部品の確保についても困難が予想されることから、耐用年数が規定に達した車両は走行可能な状態であっても廃車とし、そこから部品を調達している[1]

新(1996年-)

73式小型トラック(新)
73式小型トラック(新)
73式小型トラック(リア)
73式小型トラック(リア)

旧式化が目立ち、排ガス規制などにも適応出来なくなりつつあったジープタイプに代わり、1996年(平成8年)からはパジェロベースで、ショートホイールベースモデルのフレーム後端を若干伸ばし、積載対応のためリーフリジッド化された車両が採用され、「(新)73式小型トラック」となった。新型装備ではなく、旧型車両の更新であるため、複数メーカーによる競争入札は行われておらず、「73式」の呼称が引き継がれ、制式名称は「73式小型トラック」(平成13年度納入車から「1/2tトラック」に変更)となった。パジェロをベースにした事から、旧型と同じくシガーライターと灰皿を搭載したほか、エアコンのような快適装備も引き継がれ、陸上自衛隊の車両において唯一の冷房可能なエアコン搭載車となった。 国土交通省届出の車両型式はV13b(2代目パジェロがV2〜4系3代目パジェロがV5〜6系)となっているが、生産された順は2代目パジェロの後となっている。テールレンズは初代パジェロの物を流用。

乗降性の改善のために取り付けたサイドステップが小型車枠をはみ出しており、「小型」呼称ながら高速道路通行料金は普通貨物車(1ナンバー車)と同じ料金だったが、後に普通乗用車料金になるよう改装された。

変速機はロックアップ機構を省いたトルコン式ATで、市販型パジェロの2代目車両となるJ-TOP(幌車)の専用タイヤであった18インチの大径タイヤ(横浜ゴム製215/85・18、専用鉄ホイール)を装着し、デフロック可能なセンターデフ式フルタイム4駆機構のスーパーセレクト4WDを備える。不整地走破性は旧式純正JEEPと同等程度の性能を持つとされるが、前輪がリジッドから独立懸架となったことで操縦安定性は向上した[要出典]。タイヤ径の拡大により、地上高、特にアクスルデフ下の最低地上高が増大している。

関東以西での使用を考慮してエアコンが装備され、災害情報収集のためAM・FMラジオも標準装備されている。

440kgの最大積載量があり、固有の搭載火器はないが、5.56mm機関銃MINIMI12.7mm重機関銃M2などの各種機関銃対戦車ミサイルなどを搭載することが可能。誘導弾や通信機器の搭載専用車両は2人ないし3人で運用される。 基本型は6人の乗車が可能だが、従来のジープ型が後部扉から乗降する後部4人に対し、パジェロベースは後部2人乗車であり、残りの2人は前席後部の中間の席に運転席と助手席のシートを倒して乗降する。指揮官車等通信機材が積載された車両に関しては中間の座席を1つ取り外して通信機を設置するため、5人乗車となる。 初期型は従来よりも予熱に時間がかかるため、冬季のエンジン始動に時間がかかる[要出典]

イラク派遣で使用された際には、三菱自動車が防弾能力を持つ"付加材1/2tトラック用"という物品を納入[2]しており、防弾処理が施された。

エピソード

  • PKOへ参加中、(新)73式小型トラックを見た他国のPKO参加兵に、エアコンの搭載を羨まれたことがある。
  • 市販パジェロJ-TOPと同じタイヤを使用しているが、J-TOP用の市販は打ち切られ、自衛隊専用タイヤとなりつつある。

性能・主要諸元

73式小型トラック(パジェロベース)

  • 全長 - 4.14m
  • 全幅 - 1.765m
  • 全高 - 1.97m
  • 車体重量 - 1,940kg
  • 乗車定員数 - 6人
  • 積載量 - 440kg(現在は「定員数」のみ表記)
  • 最高速度 - 120km/h
  • 出力 - 125PS (91.9kW)

登場作品

ゴジラシリーズ・ガメラシリーズなど多くの特撮作品や陸上自衛隊が登場する映画、テレビドラマに登場する。(新)73式小型トラックも『ガメラ3 邪神覚醒』以降に制作された作品では多く登場している。

関連項目

ウィキメディア・コモンズ
ウィキメディア・コモンズ

脚注

  1. ^ 日本兵器研究会『世界の軍用4WDカタログ』アリアドネ企画 ISBN 9784384025491 2001年
  2. ^ 平成17年度所管公益法人等との間で締結された随意契約の緊急点検結果等について(防衛省)<3/3>

外部リンク