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魚類
ニシキゴイ(硬骨魚類)
分類
:動物界 W::Animalia
:脊索動物門 W::Chordata
亜門:脊椎動物亜門 W::Vertebrata
:魚綱(廃止) W::Pisces
学名
Pisces Linnaeus1758
英名
fish

魚類(ぎょるい)は、生物学的には脊椎動物亜門 Vertebrata に属する動物群のうち、両生類有羊膜類を含む系統である四肢動物を除外した動物群である。

基本的に一生の間水中生活を営み、えら(鰓)呼吸を行い、ひれ(鰭)を用いて移動する。体表はうろこ(鱗)で覆われ、外界の温度によって体温を変化させる変温動物であるものが多い。

また、本項では生物学的な魚類を扱っているが、日常会話などの一般的な語としての「魚類」とは意味が一致しない場合がある。一般的な語としての「魚類」・「魚」は、普通はある程度の条件を満たす動物を言うが、語義はゆれる。クジラなどを含むこともある[1]

魚類は地球上のあらゆる水圏環境に放散し、その生息域は熱帯から極域、海洋の表層から深層、また内陸の淡水域まで多岐におよぶ。その生態や形態も実に様々である。魚類全体の種数は2 万5000 ~3 万近くにものぼり、脊椎動物全体の半数以上を占めている。

大きさは種による。現存種で最大のものは体長14 m に達するジンベエザメである。

目次

定義

冒頭文の定義は非常にややこしい表現がとられているが、これは現在の系統学の立場からこの群を定義するにはこれしかないからである。古くは単に魚と考えればひとくくりに出来る感覚であり、20世紀半ばまではそれらを魚綱として一つにまとめ、その下に無顎類、軟骨魚類と硬骨魚類の三群を置くのが普通であった。

しかし、現在の分類学的観点からすると単系統群ではなく側系統群であり、互いにかなり異質な系統を包含している。たとえば硬骨魚類は四肢動物とともに軟骨魚類無顎類と別の単系統群を構成するし、硬骨魚類と四肢動物、軟骨魚類はともに無顎類とは別の単系統群である顎口上綱を構成する。そのため、これをまとめる概念として魚類を説明しようとすれば、このような表現しか取れないのである。

あるいは、脊椎動物は水中で多様な群に分化し、その一部から陸上進出が行われ、それらがさらに多様な進化を遂げた。これらのうち、水中段階にとどまっているもの(上陸後に水中に戻ったものを除いて)をまとめたもの、といってもよい。ある意味でやはり陸上進出によって多様化した群であるシダ植物という群の位置づけに近い。

分布

魚類はすべて水中生活である。その生活している塩分環境によって、便宜的に2 つに分けられる。すなわち、海で生活する海水魚、河川や湖沼など内陸の淡水で生活する淡水魚である。しかし、海水と淡水の混じり合う河口などの汽水域で生活する汽水魚や、海水・淡水どちらでも生きられる魚もおり、この区分は必ずしも厳密でない。また、海水魚は塩湖に生息する魚も含めて塩水魚と呼ばれることもある。

他には、水深200m 以深の深海に生息する深海魚や、洞窟の中だけに見られる魚、地下水に生息するものもいる。また例外的に鰓以外で皮膚でも呼吸を行い、干潟湿地など陸上である程度生きられる魚、さらに発達した鰭で陸上を這って移動したりする魚もいる。しかしこれらの大部分も主な生活は水中であり、トビハゼのようにむしろ陸にいる時間が長いものでも、皮膚の乾燥には耐えられないし、生殖仔魚稚魚(幼魚)の生活は水中である。

体の構造

解剖学的に見ると、魚類の体はの特徴(空気に比べて粘性が高い、溶存酸素が少ない、を吸収し透過し難いなど)に適応したものだと言える。そしての構造上、痛みを感じないといわれる。

マグロのえら。体の後部から見ており、頭部は裏側にあたる
マグロのえら。体の後部から見ており、頭部は裏側にあたる

ごく一般的な魚類の体型は、の抵抗を受けにくい流線型である。活発に泳ぎ回る魚はこの体型が多い。

体は頭部、胴部、尾部の3つに分けられる。

頭部に含まれるものは、眼から上あごの先端部までの部、えら蓋、頬部(眼から前鰓蓋骨まで)および下あごである。頭には長いひげやとげを持つものもいる。鼻孔には様々な形や深さのものがあるが、多くの場合には、前鼻孔と後鼻孔とが皮下で連結したU字型の管になっており、鼻孔と口腔とは繋がらない。吻の前部にある前鼻孔から入った水は、そのまま後部にある後鼻孔から流出するようになっている。

胴部は頭部以降から肛門の位置までで、外見上は臀鰭の前までである。消化器官は全てここまでに含まれる。

尾部は肛門以降、尾びれまでである。魚類は、背面の筋肉が胴部から尾部へと連続的に発達しているので、外見上は尾の区別がはっきりしない。つまり、胴部から尾部をまとめて運動に使用しているとも言える。魚類では尾部の比率は比較的高く、一般の魚類でも3割以上、ウナギ目の魚などは7割以上が尾である。

えら(鰓)

魚は水中の少ない溶存酸素を利用するために、えら(鰓)という器官を発達させている。硬骨魚類では、えらは頭部の後方にある1対の鰓蓋骨(さいがいこつ、いわゆるえらぶた)の内側にあり、4対の鰓弓(さいきゅう)という弓状の骨に支えられて存在する。鰓弓からは一次鰓弁が何本も伸び、さらに一次鰓弁上には表面積を拡げるための二次鰓弁が多数存在している。えらには血管が通っており、外界(海水、淡水)と直接ガス交換を行う。そのためえらは赤く見える。えらはガス交換の他にも、塩類細胞によるイオンの排出・取り込みやアンモニアの排泄を行っている。

ひれ(鰭)

魚のひれ(カクレクマノミ)
魚のひれ(カクレクマノミ)
小離鰭(finlet)。アジ科やサバ科、サンマ科などの魚類にみられる
小離鰭(finlet)。アジ科サバ科、サンマ科などの魚類にみられる

ひれ(鰭)は魚が泳ぐのに欠かせない手足のようなものであり、ときには地上を這ったり、空中を飛んだりするのにも使われる。体につく位置により次のように分類される。

  • 胸鰭(きょうき・むなびれ) - 頭の後方、体の側面に位置する一対のひれ。
  • 背鰭(はいき・せびれ) - 背側にあるひれ。種によって数が異なり、第一背鰭・第二背鰭などと区別する。
  • 腹鰭(ふっき・はらびれ) - 腹側の肛門より頭側にある一対のひれ。
  • 臀鰭(でんき・しりびれ) - 腹側の肛門より尾側にあるひれ。
  • 尾鰭(びき・おびれ) - 体の最も後方にあるひれ。
  • 脂鰭(しき・あぶらびれ) - サケなどに見られる、背びれの後方にある1 つの小さなひれ。
  • 小離鰭(しょうりき・はなれびれ) - サバマグロなどの尾部に見られる、多数の小さなひれ。
  • 頭鰭(とうき・あたまびれ) - オニイトマキエイの頭部にある1 対の角のようなひれ。

胸びれと腹びれは左右1対あり、これらを対鰭(ついき)、それ以外を不対鰭(ふついき)と呼ぶ。また背びれの数は1基、2基、3基と数え、前から順に第1背鰭、第2背鰭、第3背鰭と呼ぶ。

ひれの形態は、軟骨魚類、肉鰭類、条鰭類で大きく異なる。

  • サメエイなど軟骨魚類では、ひれは厚い皮膚で覆われ、中は輻射軟骨で支えられる。硬骨魚類のようにあまり自由に動かすことはできず、後退などの動作ができない。サメのものはふかひれ(鱶鰭)と呼ばれ、高級食材として名高い。
  • シーラカンスハイギョなど肉鰭類では、ひれの基部が筋肉で覆われる。一部の肉鰭類の胸びれや腹びれは陸上を這う脚となり、四肢動物へと進化していったと考えられている。
  • 条鰭類ではひれは膜状の構造物であり、体の正中線、あるいはその左右に対になって張り出す。膜を支えるようにひれには多数の筋(鰭条)が入っていて、基部では骨と筋肉が接続しているのが普通である。鰭条には軟条(なんじょう)棘条(きょくじょう)の2 種類があり、棘条には毒腺(刺毒装置 しどくそうち)を備えているものもある。

ひれが遊泳以外の目的に進化している場合もある。また進化の過程で、一部のひれが退化していることも多い。

  • トビウオの仲間は、体に対して非常に大きな胸びれを持ち、空中を滑空することができる。
  • ハゼウバウオの仲間では腹びれが吸盤に変化して、岩や海藻などにくっつくのに都合が良い。
  • コバンザメでは第一背鰭が吸盤に変化し、大型の魚にくっついて移動する習性を持っている。
  • アンコウの仲間は、背びれが釣竿のような形状に変化(エスカ・擬餌状体)し、先端はルアーになっている。
  • チョウチンアンコウの仲間はルアーの部分に発光器を備える。
  • ミノカサゴゴンズイなどは、棘条に毒腺を発達させて身を守っている。
  • ホウボウは腹びれが脚のようになっており、海底を這って歩くのに適している。
  • マンボウは尾びれと臀びれがつながって特殊な形態(舵鰭 かじびれ)をなしている。
  • 遊泳力の強いマグロカジキなどは2基の背びれを持ち、前方にある第1背鰭は溝に折りたたむことができる。それぞれのひれは極限まで水の抵抗を減らすように設計され、高速遊泳に特化している。

うろこ(鱗)

うろこは1つ1つは小さな板や棘(とげ)のような形のもので、これが多数集まって体の表面を覆う。外部の衝撃から皮膚や筋肉、内臓を保護する役割を担う。魚種によって大きさや形は異なり、うろこを持たない魚もいる。硬骨魚類のうろこには樹木の年輪に相当する模様が刻まれており、魚の年齢を知るのに役立つ。

うろこは大きく4種類に分けられる。現存する硬骨魚類の多くは円鱗(えんりん)あるいは櫛鱗(しつりん)を持つ。ヒラメのように体の部分によって円鱗と櫛鱗を有する種類もいる。

楯鱗(じゅんりん、placoid scale
サメエイなど軟骨魚類にのみ見られる。棘状のうろこで、真皮から伸びた髄の上をエナメル質、象牙質が覆う。棘は体の後方を向いているため、尾から頭に向かってなでるとざらざらする。いわゆるサメ肌である。
硬鱗(こうりん、ganoid scale
あまり重なりあわずに体を覆っている平たいうろこ。骨質の外部をエナメル質が覆う構造になっている。チョウザメガーポリプテルスなどの原始的な硬骨魚類に見られる。
円鱗(えんりん、cycloid scale
年輪のある小さな楕円状のうろこ。アジカツオコバンザメコイなど。
櫛鱗(しつりん、ctenoid scale
円鱗に似ているが、一端に小棘を有することで区別される。櫛鱗は小棘の違いからさらに crenate、spinoid、ctenoid の3つに分けられる。スズキサバマダイなどに見られる。

ひょう(鰾)

コイ科の Scardinius erythrophthalmus の浮き袋。前室(左)と後室に分かれ、ウェーバー器官と連続する
コイ科の W::Scardinius erythrophthalmus の浮き袋。前室(左)と後室に分かれ、ウェーバー器官と連続する

詳細は「」を参照

鰾は、魚類のうち原則として条鰭類が持つ器官である。一般には、浮き袋と呼ばれる。

魚の体は海水より比重が大きく、何もしなければ沈降してしまう。そこで、簡単に浮力を得るために鰾を発達させている。鰾は伸縮性に富む風船のような器官で、ガスを溜めたり抜いたりして浮力調節を行う。

原始的な鰾は消化管から枝分かれしており、水面に口を出して空気を出し入れする開鰾(有気管鰾)である。しかし一部の魚類は消化管から分離した閉鰾(無気管鰾)を持ち、鰾の周囲にある奇網からガス腺と呼ばれる細胞を介してガスを取り込む。

鰾は四肢動物ハイギョ相同である。かつては鰾が肺に進化したと思われていたが、実際は、肺から鰾が進化した。初期の硬骨魚類は、淡水生活の中で空気呼吸の必要から肺を発達させたが、水中生活へ適応した条鰭類が鰾を持った。

そのため、硬骨魚類が肺を獲得する前に分岐した軟骨魚類には鰾も肺もない。軟骨魚類にはサメエイが含まれ、鰾の代わりに肝臓脂質を蓄積することで浮力を得ている。条鰭類が肺を鰓に変化させる前に分岐した肉鰭類は、鰾の代わりに肺を持つ。ただし例外的に、現生シーラカンスのラティメリアは脂肪で満たされた鰾を持つ。

条鰭類でも一部の原始的な目では、鰾は肺の機能を残しており、鰓呼吸とは別に肺呼吸を行う。また、底生魚類や深海魚の中には、鰾を二次的に喪失したか非常に小さくなったものが多い。

詳細は「魚眼」を参照

魚類の目は哺乳類の目とは異なり、4種類の錐体細胞を持ち、紫外線領域の視覚をも持つ。このため、人の目にはオスとメスの区別がほとんどできない魚でも、紫外線の反射率がオスとメスで大きな差があることから、魚自身には両者の視覚上の差は明瞭にみえている可能性がある。

繁殖と発生

生まれたばかりの仔魚
生まれたばかりの仔魚

繁殖形態は卵生および胎生(卵胎生)である。は卵黄(栄養分)の割合が比較的多く、小さなが大きな卵黄にくっついたような状態で発生がすすむ。孵化した仔魚は卵黄を抱え、しばらくは卵黄の栄養分を使って成長する。サメ類、エイ類、カダヤシカサゴウミタナゴなどの仲間には、体内で卵を孵化させて子供を産む卵胎生のものもいる。

変態

魚類の幼生は、すべて少なくとも魚類の体制を備えて孵化する。その点では直接発生的である。しかし、その中では群によっては成魚との間にそれなりに変化があり、中には見かけ上の姿が大きく変わるものも存在する。

とくに真骨魚類は生まれたばかりの頃を仔魚(しぎょ)、少し成長したものを稚魚(ちぎょ)といって区別する。両者の間には明確な形態的変化があり、これを変態と呼んでいる。稚魚は体の大きさこそ小さいが、成魚と同じ形質を備えている。それに対して仔魚は成魚と形態的にもかなり異なっている場合が多く、知識が無ければ、仔魚を見て成魚の姿を想像することは容易ではない。実際、いくつかの魚種で~幼生と名前があるものは、発見時に親とは別の種だと思われて付けられた名前の名残であることが多い。ただし、全ての魚が変態を行うわけではなく、仔魚・稚魚の区別がはっきりしない種もある。

ミツマタヤリウオの仲間、一番下が仔魚
ミツマタヤリウオの仲間、一番下が仔魚
  • ヒラメカレイの仲間 - 仔魚は体の両側に眼を備え、左右対称な普通の魚と同じ姿をしている。変態を行うことで片方の眼が反対側に移動し、成魚と同じ左右非対称の体になる。ウシノシタの仲間では、片眼が顔の中を貫通して移動するものも知られている。
  • ウナギの仲間 - レプトケファルス幼生 Leptocepharus。仔魚は円筒形の体ではなく、細長く側偏した柳の葉のような体型をしている。体も透明である。この幼生のタイプはウナギに限らず、カライワシ上目Elopomorpha の魚に共通のものである。
  • チョウチョウウオの仲間 - トリクティス幼生 Tholichthys。幼生は頭部が大きく、まるでをかぶっているように見える。
  • アンコウの仲間 - 仔魚は浮遊生活を送る。胸鰭が巨大になり、ひらひらとして浮きやすい。稀種のミノアンコウでは、体全体が蓑をまとったように多くの糸状構造物で覆われる。
  • ミツマタヤリウオの仲間 - 仔魚の両眼は体から離れ、コードのようなものでつながっている。

仔魚期に特徴的な形態をとることの意義は、多くの場合、浮遊生活への適応である。まだ十分な遊泳力を持たないため、水平方向に泳げないばかりか、そのままでは海底に沈んでしまう。そこで体に大きな棘や糸状の構造物を生やしたり、ひれを大きくしたりして浮力を得ている。棘は捕食に対する抵抗でもある。また、外見からは分からないが、体液の代わりに比重の軽い水や油、気体を溜めて沈降を防いでいる場合もある。

無顎類であるヤツメウナギの場合、幼生はより単純なアンモシーテス幼生の時期を持つ。これはこの類そのものがより簡単な体制を持つということもあるが、これをナメクジウオに対応させる考えもある。

  • ヤツメウナギの仲間 - アンモシーテス幼生 Ammocoetes。両眼を欠き、砂泥の中で生活する。

進化と歴史

生物の進化の歴史では、脊椎動物の中で無顎類が最も古く生まれ、次いで顎口類の魚が現れたと推定されている。

シルル紀後期からデボン紀にかけて魚類は一気に種数を増やし、それ以降はほぼ水中における優占的な地位を維持している。その出現はさらに古く、カンブリア紀のものである澄江生物群ミロクンミンギアなどが現在知られる最古の無顎類と言われている。それ以外の群はデボン紀には化石が出そろうが、一部はシルル紀後期からも発見されているため、その頃にはおおよそ各群が分化していたと考えられる。

「動物は海から生まれた」と言われるが、魚類の進化を見ると、その当初から淡水での生活が大きな役割を果たしていたと考えられる。魚類の分類群ごとに見ると、軟骨魚類と全頭類は大部分が海産であるが、無顎類にも淡水産があり、硬骨魚類の中で原始的なものと考えられる肉鰭類や全骨類などは大部分が淡水産である。化石的証拠から見ても、魚類の進化に於いて、かなり早い時期に淡水への侵入がおこなわれたと見て良い。

現在の硬骨魚類は、おそらく淡水で進化し、肺を持っていた。その一部が陸に進出して両生類へと進化した一方、海に戻って大発展を遂げたものが現在の魚類の大部分を占める真骨類になったものと思われる。肺はその機能を失い、浮き袋として用いられている。

人と魚

魚は世界中で食物として利用される。四足の獣を食べることを禁じられていた仏教徒の多い国ではより重視される。捕らえるために様々な方法が開発されている。代表的なのは(もり)などで突く方法、ですくう方法、釣りなどであり、それぞれに各国で、あるいは対象によって様々な方法が工夫されている。中には動物を使役する(鵜飼いカワウソ等)などの特殊な方法もある。それらは食料確保のためでもあるが、趣味としても行なわれている。

  • 魚を取ることをまとめて、仕事としては漁業という。
  • 食用の魚種を飼育することを養殖という。

特に四方を海に囲まれた日本人にはなじみ深い食材で、古くから「食べてはいけない魚」と「食べられる魚」に分けられ、「不味い魚」「美味しい魚」という実用的な観点から魚の種類への関心が高い。貝類甲殻類とあわせて魚介類と言うことも多く、それらは魚屋で扱われる。魚の字は元は「いを」「うを」、食用(副食物)としては単に「な」と訓じていたが、これが(な)であることから、「さかな」とも訓ずるようになった。

焼いたり煮たり、あるいは揚げたりと様々に料理されるが、生で食べるのは日本の刺身など少数派である。痛みやすいものが多く、保存のために塩漬けや開き、燻製、あるいは油漬けなど処理される例も多い。直接的な食品でない例としては鰹節魚醤がある。

食料の他に肥料飼料・加工品の原料などとして使われる。また、釣り熱帯魚鑑賞は趣味として広く親しまれている。日本は周りを海に囲まれていることもあって、世界有数の魚大国である。各地に水族館が建てられ、世界中の魚を見ることができる。

分類

動物分類学の黎明期に於いて、魚類は魚上綱(ぎょじょうこう)として1 つの綱に分類されていた。魚上綱とは、軟骨魚綱硬骨魚綱絶滅した板皮綱および棘魚綱の4 つの綱から構成される巨大な分類群であった。しかし、以下の理由から現在ではあまり用いられず、また分類学上も使用は好ましくないとされる。新分類では、脊椎動物亜門の下に無顎上綱顎口上綱を設け、そこに魚類および四肢動物を含める。

また、魚類からは四肢動物両生類爬虫類鳥類哺乳類)が分岐して生まれている。すなわち魚上綱と呼ばれる生物のグループは側系統群(単系統群から一部の群を除いたグループ)であり、純粋な分岐分類学では有効な生物分類の単位とはされない。

もっとも「魚類」は「爬虫類」などと同様に今後も実用性の観点から使用されていくことであろう。ただし「魚類」の範囲がどこまでか(無顎類を含むかどうか等)は曖昧さが残る部分である。

分類学上の問題点も無視できないが、本稿では無顎類も示すこととする。また全体の分類体系はNelson の分類に従った。

分類方法

様々な形態の尾鰭。A:異尾、B:原尾、C:正尾、D:両尾。正尾にはさらに多くのバリエーションがある
様々な形態の尾鰭。A:異尾、B:原尾、C:正尾、D:両尾。正尾にはさらに多くのバリエーションがある

魚類を分類するにあたって使用される特徴のうち、特に注目されるのが鰭の形態である[2]。背鰭の数、胸鰭と腹鰭の位置、脂鰭の有無などが、分類上の重要な形質となる。例として、系統的に古い魚類(コイ目など)では腹鰭は体の中央付近に位置するが、比較的高等な魚類(スズキ目など)ではずっと前方に移動し、胸鰭のすぐ下であったり喉の位置にあったりする。胸鰭と腹鰭を近づけて連動させることで、より効率の良い運動が行えるようになったものと見られている。また条鰭類の魚類では、各々の鰭が何本の棘条と軟条で構成されているかによって、系統的に近い種類・遠い種類を見分けることができる。これらの鰭の構成は分類上極めて重要な要素であるため、専門的には略号を用いて「D.XII,9; A.III,8; P1.26~28; P2.I,5」のように表し、これを鰭式(きしき)と呼ぶ。アルファベットは鰭の種類(D:背鰭、A:臀鰭、P1:胸鰭、P2:腹鰭)を、ローマ数字・アラビア数字はそれぞれ棘条・軟条の数を表している。

分類に用いられる形質として、骨格や鱗もまた重要な要素である。より進化した高等な魚類では、骨の癒合・省略が進み、全体の数が少なくなる傾向がある。これは脊椎動物全体に見られる特徴で、ウィリストンの法則と呼ばれる[3]。鱗は上述したような形態の区別の他、側線を基準に計測した鱗の数(側線鱗数や横列鱗数)が分類形質となる。

魚類は様々な体型や体色をしており、これらは見た目にわかりやすい特徴ではあるが、少なくとも目のレベルでの分類に使用されることは少ない。体型や体色は系統よりもむしろ環境への適応を色濃く反映している。科・属・種などの下位分類では、発光器の数と位置(ハダカイワシ類)、交接器の形態(アシロ類)など多種多様な形質が分類に用いられている。

無顎上綱 Agnatha

顎口上綱 Gnathostomata

板皮階 Placodermiomorphi

軟骨魚階(軟骨魚類Chondriomorphi

真口階(硬骨魚類Teleostomi

出典・脚注

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関連項目

構造
輸卵管 - 魚眼 - 総排出腔 - - 浮き袋
水産業
水産業 - 漁業 - 養殖業 - - 漁業権 - 漁業協同組合
- 漁場 - 漁船 - ソナー - 釣り - 投網 - - 梁漁
食材・料理
食材 - 食材の一覧 - 魚介類 - 珍味 - 骨なし魚
調理 - 二枚下ろし - 三枚下ろし - 五枚下ろし - 漬ける - 焼く
料理 - 刺身 - 寿司 - 唐揚げ - 天ぷら - 焼き魚 -蒲焼き -照り焼き -煮魚 -フライ (料理) -ちり鍋- アクアパッツア - ゲフィルテ・フィッシュ
食品 - 蒲鉾 - 竹輪 - 半片 - くさや - 魚醤 - 燻製
寄生虫 - アニサキス
趣味・娯楽
水族館 - ペット - 熱帯魚 - キンギョ
釣り - - 釣り針 - 釣り糸 - 釣り竿 - リール - ルアーフィッシング - フライ・フィッシング - 魚拓 - 出世魚
ダイビング - フィッシュウォッチング - 水中写真
生物・環境
食物連鎖 - プランクトン - 魚つき林
環境問題 - 絶滅危惧種 - ワシントン条約 - レッドデータブック (環境省)
モデル生物 - ゼブラフィッシュ -メダカ -トラフグ
マウスブルーダー
- 大洋 - - 海流 - 海岸 - 深海
-

参考文献

  • Joseph S. Nelson, Fishes of the world, 4th edition: Wiley & Sons, Inc., 2006年、ISBN 0-471-25031-7
  • 岩井保 『魚学入門』 恒星社厚生閣、2005年、ISBN 978-4-7699-1012-1
  • 上野輝彌・坂本一男 『新版 魚の分類の図鑑』 東海大学出版会、2005年、ISBN 978-4-486-01700-4
  • 岩槻邦男・馬渡峻輔監修;松井正文編集、『脊椎動物の多様性と系統』、バイオディバーシティ・シリーズ7 (裳華房)、2006年、ISBN 978-4-7853-5828-0

外部リンク

ウィキメディア・コモンズ

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