看護師についての最新情報、関連する画像や動画を紹介。(出典:Wikipedia)

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看護師(かんごし)とは、医療、保健、福祉などの場において以下の事柄を行う医療従事者の呼称である。

現代では、看護師の業務を行うためには、多くの国でその国が定めた看護専門学校看護大学等の看護師養成課程における基礎看護教育を受けた上で国家試験等の資格試験に合格し、看護師免許を有している必要がある。

日本国においては、2002年3月以前まで法律上、女性を看護婦(かんごふ)、男性を看護士(かんごし)として区別していた。詳細は、名称変更を参照。

女性の看護師が、「看護婦」と呼ばれていた時代には「白衣の天使」という別名があった(ナースキャップ、衣裳ストッキングのすべてが白色だったことから)。現在は白衣高血圧などが懸念され始め、次第に全身白ずくめの女性看護師は姿を消し、現在はおもにストッキングを肌色や黒にするなど白衣高血圧を引き起こさないための工夫がなされた。

ドイツの高齢者看護に従事する看護師
ドイツの高齢者看護に従事する看護師

目次

概要

各国の看護師協会(NNAs:National Nurse's Association)からなる国際看護師協会(ICN:International Council of Nurses)は、「ICN看護師の倫理綱領」の中で看護師には4つの基本的責任があるとし、健康を増進し、疾病を予防し、健康を回復し、苦痛を緩和することであるとしている。

日本における概要

日本において看護師は、法的には「厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくはじよく婦(褥婦(じょくふ)/出産後の女性)に対する療養上の世話、又は診療の補助を行うことを業とする者」と保健師助産師看護師法(略称「保助看法」第5条)に定められている。

また日本には准看護師(じゅんかんごし)の免許があり、法・制度的にみた看護師との違いとしては、准看護師は知事免許であり国家免許ではないこと、看護業務を医師、歯科医師または看護師の指示を受けて行なう(保助看法第6条)ことがあるが、それ以外の職務内容等については特に看護師との違いや規制は設けられていない。そのため准看護師が看護師とほぼ同様に看護業務を行っていながら、給与等に違いが生じているという実態が知られている。

同法第31条において、医師歯科医師看護師・准看護師以外の者が看護を行うことが禁止(業務独占)されており、同法第42条の3では「看護師」や紛らわしい名称を用いることが禁止されている。また同法第42条の2では「正当な理由がなく、その業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない。」と守秘義務が課せられている。

看護師の養成教育(看護教育)は、これまでは看護専門学校で中心的に行われてきたが、近年は医療の高度化や看護職の地位の向上などを背景に4年制の看護学部医学部保健学科が増えてきており、2007年4月現在で看護師養成教育機関の定員の32.5%は4年制大学での教育を受けており、[1]、今後はさらに大学を卒業した看護師が増えるものと考えられる。

看護教育を受けた後、看護師国家試験に合格した看護師は、病院などの医療機関に勤務することが多く、こうした実地のキャリアと継続的な卒後教育を経て、認定看護師専門看護師といった専門分野に関する認定を受け看護の提供を行う場合や、保健師助産師など関連資格を取得する場合、看護管理者や訪問看護師、看護教員、看護研究者など職務内容や場を変更する場合といった様々な様相で看護に関わってゆくことが多い。


業務

看護が業務ではあるが診療補助として、医師の診療上の補助をおこなうことが法律上認められている。具体的には、採血や投与・心電図・脳波測定・超音波・肺機能検査 などであるが看護師が不足している場合は、検査技師がこの業務をおこなっている。病院など救急救命センターは、病棟ごとに配置されているナースステーション(詰所)であり、コール(呼出)がかかれば出動する仕組みとなっている通常24時間交代勤務である中核を担う病院では、違う病棟から応援に来たり、救命に回ったりする。 独自の救急車を所有している場合転院搬送などのため救急車やヘリで輸送業務をおこなうことがある。また夜勤など体力的にきついなどの理由で開業医院で働いたり、検診や介護現場で働いたり海外協力などその働き場は、多様である。

日本における免許区分と教育体制

看護師

看護師は看護高等学校(看護科、専攻科の5年間)、看護専門学校、看護短大、大学(看護学部・医学部保健学科など)で養成教育が行なわれ、卒業すると看護師国家試験の受験資格が得られる。実際には卒業見込みの段階で国家試験を受験できるが、最終的にその年度で卒業できなければ、試験で合格点以上を獲得しても不合格扱いになる。国家試験に合格すると、申請により厚生労働大臣から看護師免許が交付され、看護師としての活動が可能になる。准看護師に対して俗に正看護師(略して正看)と呼ばれることもある。

自衛隊における看護師養成について

自衛隊では、災害派遣有事の際に看護要員となる隊員の養成のため、看護師または准看護師を養成する施設を隊内に有している。

看護師としては自衛隊中央病院看護学生として養成しているほか、後述の准看護師資格を持った隊員から選抜等を経て看護師として養成している。

詳細は高等看護学院 を参照。

准看護師

准看護師(略称・准看)は准看護師学校(准看護師養成所)あるいは看護高等学校卒業後、都道府県知事試験の受験資格が与えられ、知事試験に合格すると都道府県知事から准看護師の免許が交付される。

准看護師資格しか持たない者でも「看護師」と名乗る場合が多い。また准看護師は看護師同様の業務を行うために患者・家族に気付かれない事も多い。

看護師は国家資格だが准看護師は一般の国家資格ではなく下位に属する知事資格である。看護師の方が教育水準、グレードが高い。

准看護師が日本で設けられている背景には、戦後の看護師不足に対応するための暫定措置という性格がある。看護師には、ますます高度な専門的知識や技術が要求されるようになりつつあり、日本看護協会は、准看護師制度の廃止を希望しているが、幅広い労働条件の看護労働力を求める日本医師会などの要望もあり、検討段階にある。

厚生労働省の准看護婦問題調査検討会報告では、21世紀初頭の早い段階を目途に看護婦養成制度の統合に努めることを提言しているが[2]、直後に日本医師会は反対意見書を取りまとめている[3]。背景には、准看が正看より安く使える労働力であることが挙げられる。

現在、准看護師の養成校は徐々に減りつつあり、2004年より10年以上の臨床経験のある准看護師を対象に看護師となるための通信制の移行教育が始まり、2006年にはこうした教育を受けた者が国家試験を受験している。

自衛隊における准看護師養成について

自衛隊では、衛生職種において看護要員を自ら養成する為、准看護師養成所施設を有している。

准看護師の養成は、陸上自衛隊においては札幌仙台富士阪神福岡熊本別府の各自衛隊病院で、海上自衛隊においては横須賀准看護学院で、航空自衛隊においては、自衛隊岐阜病院で養成する。

養成後の准看護師は、陸上自衛隊においては三等陸曹、海上自衛隊においては海士長、航空自衛隊においては空士長として勤務する。

資格取得後、海上自衛隊では自衛艦への乗り組み、航空自衛隊では航空機動衛生隊に勤務する場合がある。救急救命士も養成取得しており、また救急救命士を取得しない場合、看護師資格を別途取得可能となっている(陸空は選抜あり、海は選抜なし。看護師の階級は二曹)。

看護師の専門性資格

より専門的な能力を有し所定の審査を受けた看護師については、専門看護師認定看護師として資格認定される。(詳細については、それぞれのページを参照のこと)

また2004年(平成14年)に医療機関の広告規制が緩和され、2007年(平成19年)4月から看護師の専門性についても広告ができるようになった。[4]

看護教育体制の諸問題

看護教育」も参照

1989年の「保健婦助産婦看護婦学校養成所指定規則」の改正までは、看護士(現在で言う男性の看護師)に対しては精神科での勤務を想定した教育カリキュラムが組まれていたが、改正後は男女とも同一の教育カリキュラムとなっている。

日本における関連法制度の改正

名称変更

1948年(昭和23年)公布の「保健助産看護法」においても、女子について「看護」として規定するとともに、男子である看護人については看護婦に関する規定を準用するとされていた(大正4年施行の看護婦規則でも、この点に関しては同様)。昭和43年法律第84号による改正で男子である看護人について「看護」または「准看護」と称することが規定された。

2002年3月からは、法律の題名が「保健助産看護法」と改正されるとともに、男女関わりなく「看護」または「准看護」として規定されるように改正された。

2002年3月の上記名称変更に伴い、医療施設にて「看護婦長(婦長と略称)」、「看護士長」などと称されていた職位は、「看護長(師長と略称)」[5] 、「看護係長」[6]、「看護長」[7][8] などと称されるようになった。

なお法律上、行政上の名称変更であり、「看護婦」という慣用的な呼称の使用を、一般市民生活の場において制限されるものではない(女性警察官を「婦警」と呼ぶように)。


名称独占

2006年の保健師助産師看護師法改正により、業務独占規定に加え、名称独占規定が設けられた(保健師助産師看護師法 第四十二条の三)。

保健師助産師の看護師国家試験合格要件

保助看法第31条第2項により保健師及び助産師は(たとえ看護師免許を有しない場合でも)看護師業務を行うことができるとされている。これにより、看護大学の卒業生や保健師または助産師統合カリキュラムを学んだ者が、看護師国家試験に不合格であったにも関わらず、保健師国家試験助産師国家試験に合格し、看護師業務を実施可能なことは、医療安全上、患者に対する正しい情報提供の面でも問題視された。 これを受けて2006年6月の第164回国会(通常国会)において保健師助産師看護師法が改正され、法律が施行される2007年4月以降に、新たに保健師・助産師の各国家試験の免許を取得する者については、看護師国家試験合格が免許付与の要件となった(保助看法第7条)。

行政処分者の再教育

2006年の保健師助産師看護師法改正により、戒告、3年以上の業務停止、免許の取り消しの処分を受けた者、再免許を受けようとする者は、保健師等再教育研修受講が義務付けられた。

日本における看護行為

2002年、看護師等による静脈注射の実施について、診療の補助行為の範疇であるとの行政解釈変更が行われた。[9]

検討会報告では[10]、既に(1)94%の病院の医師が看護師等に静脈注射を指示、(2)90%の病院の看護師等が日常業務として静脈注射を実施、(3)60%の訪問看護ステーションで静脈注射を実施していることが明らかになっていたため。約50年ぶりの解釈改定。

日本における看護師数

日本国内で2006年(平成18年)末に就業している看護師数は約81万2千人で、2004年(平成16年)比6.8%、2002年(平成14年)比15.4%増加し、准看護師数は約38万2千人で2004年比1.0%、2002年比2.9%減少している。また男性の占める割合は看護師で4.7%、准看護師で6.1%と増加傾向にある[11][12]

2004年現在でのOECD各国との比較では、日本では人口1000人あたり9人の看護職(准看護師を含む)が就業しており、OECD平均の8.6人をやや上回っている[13](ただし、国により若干数値が意味する範囲が異なる)が、医療や介護を多く必要とする高齢者の割合がOECD各国と比べても極めて高いことや、比較的高度な医療を提供していることを考慮すると十分とはいえず、実態として「看護師不足」の声が上がっている。

日本国外からの看護師受け入れ

日本とフィリピンとの自由貿易協定FTA経済連携協定EPA)で、フィリピン共和国国家資格の看護師を日本の医療機関への受け入れの方向で合意された。フィリピン人看護師を受け入れるに当り、日本語が話せる等日本の事情に精通する事を条件にし、また厚生労働省は受け入れ条件の1つとして人数の上限を設けた。調印は2006年9月9日に行われるも、フィリピン側の批准が遅れており、2009年度以降にずれ込む予定。人数枠は2年間で合計1,000人(看護師400人、介護福祉士600人)。

日本とインドネシアとの経済連携協定(EPA)の調印が2007年8月20日に行われ、日本の国家資格の取得のための必要な知識及び技術の習得を目的とした看護師候補者の受け入れ、資格取得後の就労が可能となった。2008年4月17日の衆議院本会議で可決。同年7月に看護師候補者200人、介護士候補者300人が入国する見通し。EPAを活用して外国人労働力を受け入れる初めての事例となる予定。[14]人数枠は2008年度から2年間で合計1,000人(看護師候補者400人、介護福祉士候補者600人)。

看護師の発展に寄与した人物

日本の看護師免許を持つ著名人


脚注

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関連項目

ウィキメディア・コモンズ

看護師

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